皆さま、こんにちは。石井久美子バレエプロジェクトのつっちーです。高まる空、木々の色づき、夕暮れ時のはやまりに、日に日に秋の深まりを感じますね。
さて、ballet project通信#010では、引き続きバレエプロジェクト教師をご紹介いたします。ラストを飾るのはみんな大好きこっちゃん先生です。繊細であたたかなこっちゃん先生の素顔に迫っていきましょう。

寄り添いの頂点を踊るーこっちゃん先生
「小さな頃から憧れだった久美ちゃんに誘われて、8歳からバレエをはじめました。赤ちゃんの頃から体が柔らかかったという話を母から聞いて、バレエに合った体だと自分でも感じます。ここで久美ちゃんを体現できるのは、私が一番だと思っています。」
いつだってバレエと真摯に向き合う心優しいこっちゃん先生。石井久美子オンラインバレエ学校の創立時から活躍する、久美子も全幅の信頼を寄せる先生です。
また、こっちゃん先生は久美子の弟(たつや)と小学校の同級生であり、石井家とは家族ぐるみで付き合いのある旧知の間柄です。こっちゃん先生と石井久美子バレエプロジェクトは、磁石のS極とN極のように強い引力で結ばれているかのようです。

「本来は自由奔放に過ごせるタイプですが、バレエとなるとネガティブになってしまう部分があって。痩せられなかった時、親と諍いがあったりして落ち込んだこともあります」
こっちゃん先生は自分のことをネガティブと言いますが、言いかえると思慮深い一面があるということです。とても面倒見がよく、相手の立場になり考えることのできる思いやりに溢れる先生です。
「高校3年生の時、ロシアのノヴォシビルスクバレエ学校に2か月間短期留学をしました。高校卒業後の進路を考えた時に、もっとロシアで本格的にバレエを学びたいと思い長期留学を決意しました」
ノヴォシビルスクバレエ学校とは、1956年に設立されたロシア国立のバレエアカデミーです。これまでに世界的に有名なバレエダンサーを多く輩出してきました。
バレリーナになることを夢見て、18歳でロシアへの長期留学を決意したこっちゃん先生はノヴォシビルスクバレエ学校で、どんなことを学んできたのでしょうか。

「1年目は留学生のみのクラスで、クラシックとモダンバレエのレッスン、キャラクターダンスなどを学んできました。座学ではロシア語の授業もあります。留学期間は特に決めていなくて、とにかくここで頑張るしかないと覚悟を決めてやってきました」

はじめは不安だらけの留学生活でしたが、キャラクターダンスや演技指導の先生が当時のこっちゃん先生をよく見てくださったそうです。いつも気にかけてくださり重要な役を振ってくれるなど、こっちゃん先生の支えとなっていました。

「1年目の終わりに実技テストがあって、この実技テストで合格すると2年目からロシア人クラスに入れます。私は2年目からロシア人クラスに入ることができて、嬉しかったです。2年目はレッスンのバリエーションも増えて、演技やデュエットの指導などもあり、留学生活が最も充実していた頃でした。3年目の白鳥のコンクールでは校内3位という成績を残すこともできました」
しかし、そんな留学生活に突然の終止符が打たれます。
ロシアとウクライナ間で始まった戦争です。
「戦争がはじまり私たちは帰国を余儀なくされました。私が先輩だったので、後輩にあたる日本人留学生たちを連れて逃げるように帰国しました。あの時の気持ちはいろいろと複雑で…」
視線を落とし、少しだけうつむき加減でこっちゃん先生は話を続けます。
「ロシアでの留学生活も最後の1年と思っていた頃で、最後まで成し遂げられなかったことに悔しい気持ちがありました。だけどそんな気持ちとは裏腹に…安堵の気持ちもあって。
私も23歳になる年齢でしたし、ロシアで就職活動もしていましたが、結果を知る前に帰ることにホッとする自分がいました。私ではロシアのバレエ団への就職は厳しかっただろうし…体型も完璧に管理できていたわけではなかったので」
こっちゃん先生の気持ちが痛いほど伝わってきます。だけど、立ち止まる時間はありません。帰国してからも、バレエしかないという気持ちで自主練に打ち込みます。
「日本で習っていた教室の先生に、発表会で踊ってほしいと言われました。そこで久美ちゃんにリハーサルをしてもらい、その時、久美ちゃんからバレエプロジェクトの話を伝えられて、“手伝ってみない?”と誘われました」
はじめは軽い気持ちで引き受けたのですが、こっちゃん先生の心に変化が訪れます。
「たまたまレッスンのお手伝いに行った時、“こっちゃん教えるの上手だね”って褒めてもらえて、その言葉が嬉しくて“私、教えるの好きかも!”って。今までは踊る側でしたが、この時にはじめて“バレエを教えたい”って気持ちが芽生えました」

また、こっちゃん先生は事務局の仕事でもバレエプロジェクトを支え続け、石井久美子バレエプロジェクトでなくてはならない存在へと成長していきます。こっちゃん先生はこの先、どんな先生になりたいと思っているのでしょうか。
「私は自信がないんです。だからこそ、不安を抱える生徒の心に寄り添ってあげたいという気持ちが人一倍強くあります。だから、できない子や自信のない子にきちんと寄り添えるそんな先生になれたらと思います。バレエを楽しんで好きになってもらい、生徒の背中を押していける存在になっていきたいです。」
こっちゃん先生を花に例えるのなら、桜です。寒い冬をじっと耐え、つぼみが膨らむのを待ち、春には人々の心を魅了する満開の花を咲かせます。その時こそ、こっちゃん先生の真価が発揮されるときです。ピュアで優しいこっちゃん先生は誰からも愛される、唯一無二の存在です。
こっちゃん先生にとってバレエとは
唯一自分を表現できるのがバレエだと思っています。自己表現が苦手な私でもバレエをしている時だけはなりたい自分になれます。

髙橋琴音(HPより)
東京生まれ。石井久美子の誘いを受け小学2年生でバレエを始める。小学3年生でジャンナ・ムラジャン(ロシアバレエに目覚めたきっかけの恩師)に誘われロシアメソッドバレエを習い始める。2018年(高校3年生)でノヴォシビルスクバレエ学校に短期留学を経て、2019年(高校卒業後)にノヴォシビルスクバレエ学校に長期留学を始める。ロシア国内でプロを目指し2022年まで留学するも戦争で帰国。帰国後、石井久美子バレエプロジェクトで対面グループレッスンでの補佐を始める。2023年石井久美子バレエプロジェクト入社。
次回のballet project通信#011は『ワガノワバレエアカデミー合格への軌跡』です。石井久美子オンラインバレエ学校の生徒が合格するまでの躍動をお伝えできればと思います。
お忙しい中、最後までお読み頂きありがとうございます。